これまで

都会に出ればうまくいくと思ってました。

私は田舎出身で、こんなところにゲイなんていないと思ってました。

同級生達の”オカマ”や”ホモ”を馬鹿にする言葉を聞きながら、”仲間”が多いという都会に出て行くということを心の支えに学校生活を送っていました。

学校で私は”いらない”人間として扱われていました。それはゲイであることとは無関係です。そしてそんな人間が都会へ出たところで、待っていたのは嘲笑と気遣いでした。

私は、生きる上で最も大事なのは”みんなと同じ”ことなんだと思い知らされました。

まずは外見をなんとかしようとしましたが、うまく行きませんでした。少しマシになったと思っては、他人と比べて落ち込むことの繰り返し。何も言われなくてもどこか変なのではと思うと気が休まりませんでした。

パートナーを得ることも街を楽しむことも不相応だと解りました。せめて他人に不快に思われないようにと色々と削っていった結果、何も無い人間になりました。本当の意味での”いらない”人間となったわけです。

それから色々なことを諦めたつもりで生きてきました。しかしこの歳になり、このままではやりきれないと思うようになりました。

明るい見通しはありません。この先私は仙人のような人間になるか、怨霊のような人間になるか、どちらかだと思います。